金属の酸化・還元反応

【金属のイオン化傾向】

水の中で金属が電子を放出して(酸化されて),陽イオンになろうとする性質のことをイオン化傾向という。また,金属をイオン化傾向の大きい順に並べたものをイオン化列という。イオン化列の順番は必ず覚える。

 
 
 例えばイオンの状態のCu2と単体の状態のZnを接触させる。イオン化傾向は〔 Zn > Cu 〕なので,CuZnでは〔 Zn 〕の方が陽イオンになりやすい。Cu2Znでは,よりイオンになりやすいZnが単体の状態で,よりイオンになりにくいCuがイオンの状態なので,互いの状態が入れ替わる反応がおこる。この逆(CuZn2)の反応はおこらない。このとき生成する銅は樹状なので銅樹という。 
 
 
 

例題 次の組み合わせで,反応が起こる場合は,反応をイオン反応式で表せ。

(1) 硝酸銀AgNO3水溶液に鉄Fe  (2) 硫酸銅CuSO4水溶液にアルミニウムAl

(3) 塩化ナトリウムNaCl水溶液に銅Cu (4) 塩酸HClに銀Ag 

 

(1) 3Ag + Fe → 3Ag + Fe3+  (2) 3Cu2 + 2Al → 3Cu + 2Al3

(3) 反応しない  (4) 反応しない

 

イオン化傾向の大きさにより,反応性の程度の違いが現れる。以下にその例を示す。